いま、楽天の監督であった野村克也さんの本にはまっている。すでに何冊読んだろうか。ご自身での著作はほぼ読破したように思う。
それではじめて知ったのだが、野村さんは最初、いわゆる「壁」といわれるブルペンキャッチャーとして入団し、しかも、わずか1年でクビを通告されたらしい。このときは、クビになったら南海電車に飛び込んで死ぬといって、何とか首がつながったという。
そのどん底から、後に球界を代表するバッターになるのだからまことに恐れ入った。天分に恵まれたイチローとは間逆である。
野村さんのすべての著書の底流に流れているものは、知力である。素質に恵まれていなければ頭を使え、工夫しろと言う。お金儲けの神様、邱永漢さんがいつも言っている、創意工夫と研究熱心で道を切り開いてきた典型だと思った。
ボクはこれまで直感で物事を判断することが多かった。ガキのころの遊びから始まってラグビーやサッカーなどのスポーツは、この直感の鋭さが大いに役立ったと思う。商売にしても一番頼りにしていたのは、やはりこの直感だったと思う。一瞬にひらめく直感をよりどころにして商売をやってきたのだ。
ところが最近、この歳になってはじめて、考えることが楽しいと思えてきた。少しは人間が進歩したのかもしれないと思いたいが、この先の人生はもうあまり長くないぞ、ということのほうが、どうやら理由としては大きいように感じる。
北海道の「寒ブリ」を半身、買ってきました。
ブリは、このように包丁で「うろこ」をすきます。
新作の蒸し物。若狭ぐじと海老芋のかぶら巻き。
器は、黄瀬戸の骨董品。15年ぐらい前に買ったものを、久々に引っ張り出してきました。(いつの時代のかはちょっとわからない。)
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