【鱧はも】
梅雨があけて、本格的な夏の訪れとともにおいしい旬の季節を迎えます。
中部地区から南の地域一帯の水深100メートル未満の泥地の海底に生息し、釣り上げられた鱧は、いったん漁港のいけすに集められます。その後、おもに関西方面に出荷され、高級食材として、夏の食卓を彩ります。とくに初夏のお祭りには欠かせない食材で、京都の祇園祭は別名「鱧祭り」とも言われているほどです。
他の魚との際立った違いは、脂肪分が比較的少ないため、淡白でありながらも濃厚な旨みを持ち、獰猛な性格とは裏腹に、その純白の身には清楚な気品さえ漂います。関東や東海地方の人は、この鱧の美味なことを知らない人が以外に多く、残念に思うときがあります。
また健康面としては、鱧の身は、手足のしびれ、皮膚の湿疹に効くとされ、お吸い物は妊婦が食べると栄養になると言って、古来から重宝されてきました。また、除毒作用もあり、便通にも効くそうです。その他、肝は顔のむくみや体の腫れ物に効果があるとされ、暑気あたりにも使われていたそうです。
真鱧(まはも)
お椀、鱧の葛叩き。
コメント