日本のGDP(国内総生産)が、年内に中国に抜かれることが確定し、長らく誇ってきた世界第2位の経済大国の地位が揺らぎ始めているらしい。
中国は、10倍の人口を穣する国だから、これまでの中国が貧し過ぎたんだと解釈することもできるから、悲しむべき問題ではない。それよりも、もっと深刻なのは、日本の国の借金である。国がしている借金の「返済リスク(危険度)」が、すでに中国に抜かれているのを皆さんはご存知だろうか。
なんでも、債権の損失を肩代わりするクレジット・デフォルト・スワップ発行者が、契約通り元本や利払いをしない債務不履行に備えて、保険をかける取引で、中国国債の「保証料率」は、ずっと日本の国債を上回ってきたが、1月6日についに逆転し、日本のほうが上回った。つまり、日本の国債のほうが、中国の国債より危険度が高い、とマーケットではみなされているのである。
これは日本の衰亡をはっきりと示す指標でもある。
いま政治家と官僚が、一番熱心煮に取り組まねばならないことは、人気取りの政策ではない。国家の衰亡を食い止め、反転させることだ。しかしこれは、たやすいことではない。
16世紀前半のスペインは、広大なアメリカ大陸のほとんど、中央アジアの一部、フランス、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルク、オランダなどを領有し、スペイン王がポルトガル王も兼ねるほどの大帝国を築き上げた。「太陽が没することなき国」と言われ、最強の覇権国家であったのだ。しかし、その権勢もわずか60年ほどで下降に転じ、その後400年間にわたり、衰亡を続けた国だ。
このままでは、日本もそうなる可能性が高い。政治家は、原野で異臭を放つ「利権」という腐ったエサに群がるハイエナと化し、その一方で、リーダーを欠いたニッポンの優秀な官僚たちは、わが権力の増強と、その及ぶ範囲の拡大しか、やることがない。そういった現状では、政治も官僚も、まったくアテにはできない。
では、どうするか。
残された道は、ビジネスの分野で、世界を相手に勝ち続けるしか日本の衰亡を止める手立てはない。また、そうした勝てる人間を育て上げ、輩出し続けるしかないのだ。それができるかどうかにかかっている。
と、生意気なことを書くと、「お前なんかに言われたくない!」とヤジが飛んできそうであるが・・・・・
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