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2010/02/22

コメント

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さけのむぞうしょうぐんさま

古川先生のブログのコメント欄からたどって、すっ飛んで
きました。

興味深い記事ですが、吉田屋のご主人のきき酒能力、
この書き方ですと、利き酒コンクールで、50並んだうち
の48を的中させたというニュアンスですが、それは嘘
八百としか思えません(そもそも、そういうテストの仕方
はしませんし、業界の行うきき酒コンテストの場合、酒販
店はプロと見なされて、参加をそもそも認められていない
と思うのですが)から。


正確にはどうなのでしょうか。吉田屋のご主人、「俺は
ラベルを見なくても、利くだけで酒のことは全部わかる」
とのことですが、鹿児島の、汚染米使用の蔵の商品を
何ら疑問もなく売っていた(いる)こととあわせて、本当
にそれだけの能力の持ち主なのか、ご教示いただければ
幸いです。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんにちは。

このたびはコメントをありがとうございます。

おっしゃるように誤解が生じやすいわきの甘い書き方でしたね。すみません。

この利き酒コンクールのことは、ボク自身が実際にこの目で確認したものではありません。吉田屋のおやじさんから伺った話を信用してそのまま書いたものです。ですので、もし吉田屋のおやじさんが嘘をおっしゃっていたのであれば、さけのむぞうしょうぐんさまがおっしゃるように「嘘八百」ということになりますので、訂正が必要です。

聞いた話のなかで補足する部分があるとすれば、利き酒の方法ですが、50銘柄の酒を飲み、次にもう一度、順番を入れ替えた同じ50銘柄を飲み、どれとどれが同じ酒であったかを当てるコンクールだったということです。金賞をいただいた方は50銘柄すべて当り、吉田屋のおやじさんは48銘柄を的中させて銀賞だったと伺っています。

そのコンクールが行われた年度については聞き逃していますし、もっとも肝心な、どこのどんなコンクールだったかにつきましては、今となっては「全国利き酒コンクール」という文字が頭の中にあるだけで、あとは失念してしまいました。

それと、現在の吉田屋は、息子さんの代になり、ブログで書いたときの吉田屋とは経営方針が大きく変わり、量販店の色彩が強くなってしまいました。

ですので、20年以上前の回顧ばなしとして、ご容赦いただければと思います。


さけのむぞうしょうぐんさまは、お酒についてお詳しそうですね。

もし差し支えなければ、これからもいろいろとご教授ならびに、ご叱責をお願いいたします。

テピテピ

「吉田屋」の先代様の利き酒大会の自称50種の中で48種当てた、と言う件ははなはだ?です。
公式といいますかそれなりの権威がある「全国利き酒選手権」なるものは、
①酒販店と酒造関係者以外が参加できる『日本酒造組合中央会(各県の酒造組合を束ねています)』主催の分、これは過去は6種類のお酒、現在は7種類を7分でそれを利き、バラバラにした同じ酒を又7分で利き、嗜好ランキング法という方法で誤差点の少ないことを競う(すべて当たれば0点)、という方法で、各県の予選会を勝ち抜いた70名程で年に1度戦います 
②もう一つは全国の若手蔵元で組織する『日本酒造青年協議会』主催の蔵元による蔵元だけ参加の競技会です。これは11種類でのマッチング方式です。
土佐鶴さんのホームページを参考ください
http://www.tosatsuru.co.jp/kikisake/index.html

毎年春に各県で酒造技術の研鑽のため行う「新酒鑑評会」では60種でも70種でも、お酒を鑑定する機会はありますが、どこに50種のお酒で酔狂に利き酒をしてみようか?という組織もあるはずがありません。趣味人が自宅でするなら別ですが、これには検証も権威もありませんから自慢の対象外でしょう。
私も利き酒の全国大会では過去上位入賞したことがありますが、毎日の練習で同じ酒でも、その日の体調でも、少しの保存温度の変化でも口に含む量の多少でも味が変わったように思うほど日本酒はデリケートなものです。
まして何十種飲むと、いくら飲まずに吐き出していても、舌はアルコールで痺れて、同じ酒でも違う印象の酒になってしまい、利き酒の経験豊富な人でも50種当てはとても考えられないですが、
お酒の印象を紙に書き再度チェックすると10種前後の利き酒け大会でも、平均1種1分は必要としたものです。50種飲むため真剣に50分飲んで、再度50種当てる為50分真剣に飲む、
とても利き酒に必要な集中力や味覚の維持がこの数字だけで出来る範囲の事ではないと分かります。少し大風呂敷にもほどがあると思いますし純真な方は信じてしまうでしょう。

京加茂おやじ

テピテピさん、こんにちは。

コメントをありがとうございます。しかもご丁寧に教えていただき、大変恐縮しております。

テピテピさんは、利き酒の全国大会で、上位入賞したことがあるんですか!

おーー、すごいっ!!

ぜひともボクにも教えてください。お許しがいただければ、弟子のひとりにさせてください。よろしくお願いします。

吉田屋のおやじさんの件ですが、ボクは単純に何日かに分けて行われたのかなぁー、と思っておりましたが、そんな利き酒大会は、この世には存在しないということですね。

今となっては、(真実だったかどうか)とことんくわしく聞いておけばよかったと悔やまれます。

それにしてもすごいなぁー、テピテピさんは。

さけのむぞうしょうぐんさま

京加茂おやじ 様

レス、ありがとうございました。

聞いた話のなかで補足する部分があるとすれば、利き酒の方法ですが、
50銘柄の酒を飲み、次にもう一度、順番を入れ替えた同じ50銘柄を
飲み、どれとどれが同じ酒であったかを当てるコンクールだったという
ことです。金賞をいただいた方は50銘柄すべて当り、吉田屋のおやじ
さんは48銘柄を的中させて銀賞だったと伺っています。

率直なコメントを迅速にいただき、ありがとうございました。了解しました。
伝聞が事実ならば、吉田屋の親父さんが嘘八百ですね。もし伝聞が真実ならば、
取り扱いの酒屋を変えたのは、御判断だと思います。ただ、日本酒についての
まともな知識を持ち合わせているかはかなりの疑問があり、ご自身に都合の悪い
ことは黙りの方のご意見を参考にされるのはどうかなと。

さけのむぞうしょうぐんさまは、お酒についてお詳しそうですね。

とのことですが、京加茂おやじ様、現在の先生が日本酒について知ったかぶりなのか、
無知なのかわかりませんが、いろいろ事実誤認があると思いますので、とりあえずこ
のあたりからきちんと読んでいただき、ご参考にしていただければ、幸いです。

http://sakenomuzo.ld.infoseek.co.jp/back.html

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんにちは。

再びコメントをいただき、恐縮至極でございます。

http://sakenomuzo.ld.infoseek.co.jp/back.html

貴兄のサイトをただいま拝見させていただきました。膨大な文章の量ですね。それにまず驚きましたが、でも、読んでいてとても親近感を持ちました。日本酒と日本酒業界の真実が、一部のアホな酒販店や一部のアホなマスコミ等によって、いかにゆがめられているか、その現状にボク自身も非常に憤っております。また、純米酒やアル添についての考え方に、自分自身と非常に近いものがあるなぁーと感じました。

酒の師匠についてですが、20代の後半から30代前半までぐらいは、たしかに上記の吉田屋のおやじさんでありましたが、現在は、「いざ、純米酒」などの著作を出されている故上原浩先生の教えに大きく影響を受けています。

そこで、ちょっとご相談なんですが、HPによると、貴兄は京都在住とのことですので、一度うちの店のお酒を味見していただけないでしょうか。名古屋ではちょっと遠すぎますか。名古屋にお越しになる機会というのはありませんか。もしそのような機会があれば、ぜひとも、うちの店までお立ち寄りいただき、いろいろお話を伺いたいと思っております。

突然の、はなはだ勝手で失礼なお願いでありますが、どうかお聞き届けくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

さけのむぞうしょうぐんさま

京加茂おやじ 様

 せっかくのお誘いですが、助言を求められた蔵ならばともかく、特定の料飲店へ、仕事の依頼でないのに、酒の味見をするために赴くわけには(立場上)いきません(し、そこまで暇ではありません)。ご了承ください。将来、わざわざ足を運ぶ価値のある店と判断した場合、酒縁があればお目にかかることはあるでしょう。貴店の場合、ブログの他の記事を拝見しても(上原氏の影響を受けているのならば)ありえない事実誤認が多いので、まずそのあたりから勉強されることをおすすめいたします。
 と、書き込むだけでは芸がない(苦笑)ので、私見を。
 提供する酒ですが、どのように提供したいか、一から考えてみてはいかがでしょうか。
 枝豆の後に解凍したかつおのたたき、コロッケの後に塩辛をつまむこともある居酒屋で求められる酒と、割烹の形式で出す店の酒、そしてコース中心に提供する店で必要な酒は、異なると考えます。
 居酒屋で求めるような酒を勧める方(知ったかぶりが多い)がおられますが、そうした方はだいたい大酒家です。そうした方がすすめる酒は、コースで、料理を引き立てるワキ酒として、お銚子二本程度をきこしめす方とは嗜好がことなります。
 ご自身の料理を堪能していただくのを主とするのか、大酒家に酒を楽しむツマの料理を追求するのか。
 いかがでしょう。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんばんは。

何かとご多用のところ、コメントを頂戴し、誠にありがとうございます。


枝豆の後に解凍したかつおのたたき、コロッケの後に塩辛をつまむこともある居酒屋で求められる酒と、割烹の形式で出す店の酒、そしてコース中心に提供する店で必要な酒は、異なると考えます。

なるほど。。。まことにもって同感で、正鵠を射るご意見にいたく感心しております。

ちょっと話しがづれますが、今年に入ってから考えていたことがありまして、現在の日本酒メニューのラインナップの中核をなす「無ろ過原酒(生、火入れ)」だけではなく、もっと多様な嗜好に対応するべきではないかと感じております。

そのために日本酒メニューの構成を大きく四つに分け、

1、従来の無ろ過純米原酒(10銘柄ほど)
2、味系の純吟と純米大吟などのきれいな酒(でも、燗上がりする酒、10銘柄ほど)
3、純米の加水と質のよいアル添酒(燗上がりがして軽さを感じる酒を中心に5銘柄ほど)
4、2年から6年の自家熟成酒(無ろ過純米原酒、温度管理あり、熟成具合を見ながら2から3銘柄)

にシフトしていこうと思っておりますが、何かご意見がございましたら、ご教授ください。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、もうひとつお聞きしておきたいことがありました。

事実誤認が多いので

詳しくご指摘いただければ、勉強しなおします。

さけのむぞうしょうぐんさま

何か公開無料レッスンの様相を呈してきましたが…(苦笑)

店のキャパとか、どの程度の数量が出るかはよくわからないので、アバウトにお答えしましょう。
居酒屋ならば、酒の種類を増やすのは一つの考え方ですが、開封してからの劣化他から考えれば、むしろ絞り込むべきでしょう(開封してから味がダレているのを、味がのっ
てきたと勘違いしている、自称日本酒通の先生や、酒屋が
多いのですが)。私見(偏見)ですが、

1 無濾過純米原酒(生系ですかね)は、アルコール度数が高く、コースの途中でできあがってしまうのではないか。最後の方まで、料理と酒との相性を楽しむのは、一定レベルの大酒家でないと無理でしょう。大吟系も、商品によっては同じ事がいえます。

2 次のような考え方もあります

A そんなに酒の強くない人が、コースを通してせいぜい2合までで通して飲む酒(個性の控えめな酒。これは、淡麗辛口系でしょうか。)

B 料理とあわせて、いろいろ飲んでみたい酒(食材との相性を考えて、地方地酒など)

で、季節のコースに合わせて、酒を入れ替える。

私だったら、AB併せてせいぜい8銘柄まで(責任を持った商品管理のため)。Aの場合は、料理やタイミングによって燗で出す温度を変えることによって、味の多様性を出す。それが、プロの仕事です。

客に媚びて、アイテム数を増やすよりも、「自分のこの料理にあえてあわせるのならば、この酒を」という、ややわがままなコンセプトでもよいのではないかと思います。
アイテム数を増やそうという料理屋は、だいたい料理に自信がないところが多いですね。

元料理人

いままで傍観しておりましたが
あまりにも違和感を感じましたので
一言いわせていただきます。

暇な割に一生懸命なコメ。
何でこんな上から目線なの?
ネットでガタガタ言ってないでココの店に行ってみれば
一発で解るのに。と思います。
口では何でも言えますよね~
それにココの親父さんは安易に逃げるようなタマではありません。どんな人でも納得させる器量が無ければならないと仰っていました。なので一度も行った事の無い店に対して、ネット上でネタ探し的に書き込むのは?と思います♡
PS さけのむぞうさんが店をヤったらさぞかしスバラーしい
お店ができるでしょーねwww

さけのむぞうしょうぐんさま

元料理人様

>暇な割に一生懸命なコメ。
>何でこんな上から目線なの?

暇ではありませんし、一生懸命でも、一所懸命でもありません。質問には、誠意をもって答えているだけです。都合の悪い質問にはスルーの大学教授もおられるようですが。

ところで、事実誤認の件ですが、とりあえず二例挙げましょう。

http://starcat.weblogs.jp/kyoukamo/2010/02/post-14f9.html

日本酒業界の偽装の記事ですが、「満州の兵士さんたちの飲むお酒が足りなかったから」は事実誤認ですね。冬は酷寒になるかの地で、当時の日本酒が凍りやすかったので、高アルコール濃度酒がというのがそもそものはじまりだったと記憶。さらに、「芋ではなくて、米から作った醸造アルコールを添加している「心」のある酒造メーカーも知っている」とのことですが、この文脈では芋から作ったアルコールを添加しているメーカーが大多数になります。では、芋から作ったアルコールを添加しているメーカー、具体的にどこでしょう。現在、日本には存在しないとおもいますが。さらに、
http://starcat.weblogs.jp/kyoukamo/2010/02/post-a7b7.html
で、活性炭濾過について、「戦後の粗悪な米で作らざるを得なかった時代に始まった、このろ過の方法を…」とありますが、活性炭濾過は戦前から普通に行われておりました。戦前の鑑評会の出品酒、活性炭濾過が過度に行われていたことは、菅間先生による柴田書店刊の「酒づくりの匠たち」にも記録されております。活性炭濾過が導入される以前でも、酒造史を振り返れば、酒をどのように矯正するかは、大きな課題でした。

元料理人

さけのむぞうさま。
本当にありがとうごさいます。
私は現在(和食レストラン)に勤めてしかおりませんが、
貴兄の他を圧倒する知識、(舌識)には右に出るものは
恐らくこの世には居ない。と存じます。
甚だ、恐縮ではありますが、実際お会いさせて頂きご教授
いただければ、本当に幸いと思います。

ps あえて申し上ますが私はココの店のただのファンであり、
擁護するつもりは全くありません。

元料理人

さけのむぞうしょぅぐんさま

甚だ恐縮ではありますが、貴兄の他を圧倒する知識を
ご教授願えれば、どちらでも(京都など、、、。)馳せ参じます。
私のような物知らずでありますが是非よろしくお願い
いたします。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんにちは。

ご教授いただき、恐縮です。ご意見を拝聴いたしました。

開栓後の日本酒の劣化についてですが、劣化が見られた場合には、捨てることにしています。しかし、お金を払って仕入れているので、いつも非常に腹立たしいことだとも思っています。

そういうことを考えると、アイテム数が少ないのは、商品管理の面では非常に楽になります。

>開封してから味がダレているのを、味がのってきたと勘違いしている

まさにおっしゃるとおりで、誰が見たって完全に「甘だれ」しているのに、酒販店だけでなく、蔵元すらそれを認めない人たちがいることに憤然とするときがあります。

京加茂おやじ

元料理人さん、こんにちは。

和食レストランで働いているのですか。だったら、人手が足りないときは手伝いに来てくださいね。

>甚だ、恐縮ではありますが、実際お会いさせて頂きご教授いただければ、本当に幸いと思います。

これはとてもいいことですね。ボクもかばん持ちでついていきますので、そのときは誘ってください。

とにかく日本酒業界というのは欺瞞に満ちていますので、それを正していくというさけのむぞうさまの姿勢は大変すばらしいことだと感じています。

さけのむぞうさまが、ボクが書いたものの間違いについてご指摘いただいていますが、それをお知りになった文献が必ずあるはずです。それを読み、自分の知識の元になった文献と比較して見れば、どちらが正しのかおのずとわかると思いますし、そうすることによって自分を高めていくことが大事だと思います。

ただ、嗜好については、味覚レベルの高低はありますが、やはり人それぞれなのだという部分を否定することはできません。甘口の酒が好きな人もいれば、きりっとした酒を好む人もいます。原酒がいいという人もおれば、割り水のやさしさがいいという人もいます。ですから、食べ手としての味については、ご自分の舌が感じたことをそのまま追求していっていいと思います。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんにちは。

「芋」と「戦後粗悪な・・・」は、間違いですね。自分で書いていながらそう思いました。(^^ゞ

元料理人

京加茂おやじさま

こんにちは。
いつも、お世話になります(笑&汗)
業界にもどって一週間です(本当)
詳しい事はまた実際お会いしてお話させていただきます、、、。
どういう訳か私の周りは素晴しい方ばかりで、弱気な自分
の背中を押してくれます。これは本当に有難い事だと
この歳に成って改めて思う次第です、、、。

京加茂おやじ

元料理人さん、こんにちは。

へぇー、そうだったんですか。でも、周りの人たちに恵まれているようなので、とりあえずはよかったですね。

さけのむぞうしょうぐんさま

元料理人 様

 私の場合は、他を圧倒する知識…ではなく、頭でっかちなだけ(舎弟には、ルチ将軍と冷やかされております)で、それほどのもではありません。現在、日本酒関係で発言し
ている人(専門的な知識を中途半端といえないレベルでかじっただけの人や、30年位前の常識を今の常識と思い込んでおられる酒屋が多すぎます)がひどすぎるだけですね。

 日本酒関係について、参考図書を挙げるならば、古い本ですが、穂積忠彦先生の「日本酒のすべてがわかる本」(健友館)を挙げます。総合的な知識を得るという目的では、最良の
書物と思います。その他、不明な点があれば、メールをいただければ、時間がかかるかもしれませんが、制約の無い範囲で返信はいたしております。

京加茂おやじ 様

 31日付の日経の夕刊の、十字路欄に、「やりたいことだけでは勝てない」というコラムがありました。競争環境が激変し、過去の成功体験に、戦略無くしがみつきつづけたこともあ
り、急激に国際競争力を失っている日本についての話題でした。ユニクロの柳井さんの発言が引用されていました。
「結果が出ない会社は、たぶんやりたいことだけをやっているんじゃないでしょうか。お客様がほしいと思う選択肢にまず入らないと売れない。自分の好みに入り込むと売れなくなります」
 今の酒屋さんを見ていると、有力店であれ、自分の好みを料飲店に押しつけたりしている事例が多々ありますし、料飲店側も、情報に踊らされている事例がまた多々あり、それが日本酒
不信の現況の一因になっているような印象を受けます。
 過当競争が続く料飲関係の課題は、自店に一定以上の頻度でいらっしゃるお客様の求める選択肢を、(その品質面で妥協せずに)水準の高い方式で提供し、それと平行する形で、自分の
好み・考えとかを出していくことだと妄想しております。

京加茂おやじ

さけのむぞうしょうぐんさま、こんにちは。

度重なるご教示をいただき、誠にありがとうございます。心から感謝しております。

まさに、さけのむぞうさまのおっしゃるとおりで、時代によって変わり続ける食べ物や飲み物の嗜好の変化を敏感に感知し、それをどう捕らえ、お客様が好まれる形にしていくか、とても重要なことだと思います。極論すれば、それこそが「成功のカギ」であるといっても良いのではないでしょうか。

それで、ひとつの賭けでもあったのですが、5年ほど前に、過度にろ過した新潟の淡麗辛口からのゆり戻しが起こるんじゃないかという仮説を立てまして、現在の「無ろ過生原酒」主体のメニューにしたわけでありますが、最近では、もっと幅広い嗜好に対応したメニュー構成にする必要があると思うようになりました。特にうちのようなコース料理のみの飲食店はそうあるべきじゃないかと感じるようになりました。

幅を広げるための銘柄として、「常きげん」、「豊盃」、「而今」、「早瀬浦」などを考えておりますが、これらの酒について、何か思うところがありましたら、ご教示を願えればと思います。

じつは、人生の師でもある「大前研一」さんからも、「おまえは自分の好きな酒ばかり飲ます」と言われておりまして、自分のいたらなさをおおいに反省しているところであります。

さけのむぞう しょうぐんさま

 最近、(仕事の合間に塚原産の筍を炊くので)多忙で、コメント、遅れました。

 ご指摘の銘柄、まずは「而今」は、過去二年さかのぼって、一度しか口にする機会がなく、頻度が少ないのでなんとも申し上げようがありません。「早瀬浦」「豊杯」は、何度か口にする機会があり、丁寧に醸している印象がありますが、製造数量が少ないので、店の定番で置くのは難しいと思います。
 今回の書き込みの本題が、製造数量の少ない蔵の商品です。

 製造数量が少ない場合、丁寧に醸しているのは間違いないですし、力作が多いのは事実ですが、それゆえに、時期ごとの、そして年度ごとのぶれが大きいのが、通年で置く場合にはネックだったりします(設備、技術両面で見ると、怪しいところがきわめて多い)。

 製造数量が大きいところは、タンクの絶対数量があり(ブレンドで調整可能)、さらに技術的に安定しているので、アベレージで安定しています(久保田の存在意義は、そこにあると思います)。

 ホームランを狙うか、高打率を狙うかですが、居酒屋はホームラン狙いでいい(大量飲酒傾向の酒好きの人は、そうした酒や、そうした酒を置いている店を評価します)のですが、料理屋は高打率をベースにしないと、突然酒の味が変わったりすることがあり、リスクが大きいと。
 高打率の打者をベースに、一発屋を潜ませるべきでは、というのが私見です。で、連投になりますが、常きげんです。

さけのむぞう しょうぐんさま

 定番としてメニューに連ねる場合は、私見ですが、最低二年くらいのスパンで継続しておける酒をというのが、私の考え方です。私が助言している酒屋の品揃え(の多く)は、そうしたコンセプトのもとに整理しております(私が酒を売ってはいないので、全部が全部ではありませんが)。
 
 常きげんについての私見ですが、最大のリスク要因は農口さんの引退(人材育成は、ここではきちんとされているようですが)。近い将来、農口さんが引退されたので、商品をはずすというのでは、あまりにも節操がないです。

 ここからは私見です。農口さんは、山廃が代名詞になっておりますが、農口さんの本来の持ち味は、精米50位の、米の風味を残した(古きよき時代の)早醸系だと思います。

 さすれば、常きげんの商品をもし置く場合は、総合的な視点から、同社の特別純米酒「幻の加賀の庄」を私は推奨します。
 精米55で、契約栽培の五百万石がベースですから、気象条件由来の米の出来不出来のリスクはやや低く、さらに生もと系ではないので、技術が継承されやすい。
 熟成も、最低一年半くらいはおいているはずですから、味も安定しているのでは、という見方によります。

 店でボトルでの提供を前提とするならば、同社の精米55の吟醸(純米吟醸)の「風神」「雷神」あたりが、値段をあまり無理せずに、農口さんらしさを感じられる商品という印象。提供する際に、管理は冷蔵でも、お客様が口にする際に15~18度くらいで提供するのがポイントです。

京加茂おやじ

さけのむぞう しょうぐんさま、こんにちは。

このたびは、誠にごもっともなご教示を頂戴し、ありがとうございました。

なるほど!と思わず納得するご意見の数々に心からお礼申し上げます。


>高打率の打者をベースに、一発屋を潜ませるべきでは、というのが私見です。

ご高説、しかと賜りました。それで高打率の打者として、すぐに頭に浮かぶのが、白鷹、菊正宗などの燗上がりのする酒でしょうか。

しかし、これらの酒は近頃とんとご無沙汰していますので、数種類づつお取り寄せして、飲んでみたいと思います。追ってご報告いたします。

京加茂おやじ

さけのむぞう しょうぐんさま、こんにちは。

常きげんの農口さんの酒について、山廃よりも農口さんは速醸系のほうが持ち味を発揮されているとのことですが、ボクと同じ感覚でしたので、びっくりしております。速醸のほうが、まとまりのある酒が多いように感じています。

早速、ご推奨のあった銘柄をお取り寄せしてみたいと思います。

今回も、本当にありがとうございました。

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