名古屋市の日本料理店 京加茂の亭主 京加茂おやじのブログ

秋の素材

もう月末だというのに、１１月の献立がまだ決まらず。献立を立てる才能がないなぁーとちょっと自己嫌悪ぎみ。頭の中は完全に煮詰まっている。 だから今日は写真の連張り。 鰆。
天鯛。

丹波の黒豆。お客さんからの頂き物。○○さん、いつもありがとうございます。
はちや柿の出荷が始まりました。

大間の本まぐろ。 「まぐろや」の荻原さんが言うには、今日の名古屋でもっとも上等なマグロとのこと。これだけで７万円。 その荻原さん、今日、メーテレの「ＵＰ！」という番組にご出演。１８時１７分からなので見れないから、録画のダビングを頼んでおいた。

柿の葉っぱ。八百屋のお父ちゃんがいつも拾ってきてくれます。
京加茂の洗い場。朝のひと時なので、まだ洗い物は何もありません。たかひろとパートの榊原さん。
玄関に飾った「飯桐（いいぎり）」の実。 店の活けものは、もう９年余り、お花の先生、大八木さんがボランティアでやってくれてます。本当に感謝！（ご主人さまは、トレーラーを製造する会社の社長さん。つまり社長婦人。）
これもいいぎり。店の外だと鳥が来て全部食べてしまうので、店内に、ということになったらしい。
１１月に大村昂さんからご予約をいただく。こんなところまでわざわざ来ていただけるのだから、飛び切りの料理を作らねば。

美山荘

一時端境期だったため、入荷のなかった「あぐりーも」さんの野菜が先週から再び復活しました。里芋、さつま芋、もち菜、赤からし菜などです。 すでに使い始めていますが、どのように成仏させてやろうか今も思案中でもあります。 それでいろいろ考えていたら、京都の花脊にある「摘み草料理」で一躍有名になった美山草の今は亡きご主人、中東吉次さんの言葉を思い出しました。 「食べ物はファッションでも遊びでもありません。命の糧です。私たち食にかかわるものは、自然とつねに心を通わせながら文化へと昇華させてゆくこと。これを片時も忘れてはならないと思います。 山へ行ったら、草の声を聞いて採ってくる。木の気持ちになって採ってくる。そして、どうしたらこの草が喜んでくれるかな？と問い掛けながら調理し、草の命をまっとうさせてやる。そうしてこそ、初めて人間が自然と共生できるのだと思います。（中東吉次）」 「摘み草料理」というのは、一言で言えば工夫を凝らした山菜料理のことで、それを中東さんは京都の一流料理と肩を並べるまでに昇華させました。 もちろん、大根とか牛蒡とか、栽培された野菜も使いますが、料理の中核をなすものは、人間が栽培した野菜ではなく、自然に生えている山菜です。花脊という山深い地にある美山荘ならではの料理だと思います。 直近では、去年のお正月をこの美山荘で過ごしました。

猛省。

さっき気がついたのだが、知らない間に生き方がぬるくなっているようだ。昔のボクは、触れれば切れるような人間であった。傲慢不遜というか、世の中を完全に見下して生きていた。もちろんそれは仕事に関してだけである。

それが、いつの間にか何をやるにしても中途半端で徹底できないぶざまな生き方に堕落している。時間の使い方ひとつにしても、だらだらとしている時間が多くなっている。大事な決断も何一つできていないので、経営の振り子も振れないという有様。

いかん、いかん。

庭の柿を少し収穫しました。とりあえず手の届く範囲だけ。(^^ゞまずは、ご近所と従業員、パートさんにおすそ分けです。

猫好きに大人気の画家。

久下貴史さんの版画を買っちゃいました。 ニューヨークで猫たちと暮らし、その日常を作品にしていらつしゃいます。もともとは人物の顔を得意な画題としていたのですが、ニューヨークで始めた猫たちとの暮らしが転機になって新境地を拓き、人と猫、ニューヨークとニッポンがからみあった自由で個性豊かな世界を展開しています。作品ののびやかさに多くの人が魅了されていて、とくに猫好きにとっては、表現の温かさがとてもたまりませんね。 ながいこと掛け続けていた北大路魯山人のぶどうの絵と交換です。筆運びの美しさや品格だけで言えば、やはり魯山人のほうが上かな。

本当は、もっと気に入った絵があったのですが、すでに売約済みの札が張ってあって買えませんでした。 いえ、本当のことをばらすと、ウォルト・ディズニーが描いたミッキーの原画がほしかったのです。 名古屋に一軒だけディズニーの原画を売っている店があったのですが、まったく連絡がつかなくなっていて、この不景気で、やはり閉店したみたいなんです。あーあ、もっと早くに買っておけばよかった。。。 アップでご覧ください。
魚屋の兄ちゃん。サバを持ってきてもらいました。 単純な男なので、「ブログに載せるから写真！」と言っただけで、ご覧のとおり。おもろい奴です。特技はカブトムシの飼育。

カラスミを防虫網に入れて天日で干しています。

夢と現実

ときどき通る道にちょっと大きな印刷屋さんがあって、５階建てぐらいのビル一棟がすべて印刷屋になっている。大きな印刷屋さんだから、きっとデザインの専門家がいると思うので、新しいパンフレットのことで一度相談してみようと思って行ってみた。 そうしたら、月曜なのに入り口のシャッターがしまっているので、おかしいなと思っていたら、どうもなくなったみたい。移転したのか、倒産したのかはわからずだったけど、この不景気でおそらく持ちこたえれなかったのだろうと思った。 仕方がないので、ホールの子達が履いている足袋を買おうと思い、長者町の問屋街にあるいつもの足袋屋に行ったら、なんと閉店の張り紙が。 今日はなんかついてないなぁーと思いながら、その帰り道、いつも外にビールケースなどが山積にされていた安売りの酒屋のシャッターが閉まっているのを発見。 ２時間あまりで３軒もの閉店に遭遇するなんて、これまでの人生で初の経験でした。 イス取りゲームというのをガキのころにやったことがある。８個とか９個のイスのまわりを１０人が回り、合図とともにイスに座るというあのゲーム。今はまさにそういう時代なのである。ただ、イス取りゲームの場合は、反射神経と体力にまさっていれば、たいていは勝てた。勝つための条件が簡単にわかるような単純なゲームでもあった。しかし、商売というのはそんなに簡単じゃない。まず、これが答えだというものがない。世の中のトレンドというものがあっても、うまくいく要因というのは、１件１件全部違うのだ。それは、同じ安さで売る商売でも吉野屋と餃子の王将を比較すればすぐわかる。だから、答えは自分ひとりで見つけ出すしかない。それができなければ、今日の３軒のようになる。 このように最悪の時代だが、ボクには捨てきれない夢がある。もっと上の値段帯にチャレンジしたいという夢です。やはり料理人として世界の土俵に立とうと思ったら、１万５千円の料理を常に作っていないと難しい。この前発売された「ミシュラン京都大阪」を見てもわかるが、最低でも７千円の料理を作っていないと二つ星には届いていない。三ツ星なら１万５千円。それが世界で料理人として認められるための最低値段なのである。 今の店では、その値段帯に引き上げることは不可能に近い。さて、どうするか。一度オールクリアして、もっと客単価のあがる場所で、あらたに店を作るしかなさそうに思うけど、皆さんはいかが思われますか。

田中さんの取材と柿の木。

いつも大変お世話になっている「まちクル」の田中さんが、先日の「山廃純米酒と秋の味覚を楽しむ会」の模様をまちクルのトップページにて大々的にご紹介してくれました。 いつものことながら写真はプロもびっくり！の抜群の出来栄えですし、日本酒の造りについてのわかりやすい説明までありますので、ぜひ、ご一読を！ まちクル@名古屋 豪華お料理盛りだくさん！あの【日本酒会】を突撃取材してきました（＾▽＾） 写真の撮影中のひとこま。お顔が写ってないのが、ちと残念。長いこと生きてきたが、こんなにいい子は滅多にいない。
西側の駐車場にある、樹齢５０年の柿の実が、だいぶ色づいてきました。完全無農薬、無肥料で、これだけなるんですから、自然の摂理は、やはりすごいものだと改めて感じ入りました。
びっくりするほど鈴なりです。

老木なので、幹は苔むしています。

気仙沼の「戻りかつお」。

ノムさん。

本日の大事なお客様。ノムさん。

閑古鳥が鳴いているとあちこちで言いまわっていたら、大阪出張の帰りにわざわざ途中下車して、お顔を見せてくれました。今調べてみたら、なんと７年ぶりにご尊顔を拝見。 関東のほうで、製造関係のとびきりすごい会社をやっておられる社長さんなのですが、知り合ったのは、今から１０年以上前、ニフティー時代の平成維新フォーラム。そのころは、そこに集まる方たちと政治関連の議論を喧々諤々と毎日やっていました。皆それぞれに主義、主張があり、ほとんどけんか腰だった。けど今では楽しい思い出。 今日は、どうしたわけかめちゃ忙しくて、せっかく久しぶりに来てくださったというのにあまりお話ができず、本当に申し訳なかったです。それでも、料理を出し終えてから飛んでいき、少しお話ができました。この不景気に新しい工場を竣工した話とか、今後の人生とか、台湾のお話など、とても楽しく拝聴させていただきました。 ノムさん、名古屋に用事を作って、また必ず寄ってください。 本日は、ありがとうございました。 ノムさんのＨＰ、「やまて喫茶室」

矢沢永吉という人間

歌手の矢沢永吉さん（６０）の半生を追ったドキュメンタリー映画「Ｅ．ＹＡＺＡＷＡ　ＲＯＣＫ」（増田久雄監督）が１１月２１日より、東宝系でロードショーされる。 これは絶対に見に行かねばと思っている。ボク自身、芸能界や音楽にまったく興味がないのに唯一気になる存在で、とにかく生き様がすごい。 矢沢さんという人間を一言で表そうとするなら、「異常なる存在」という言葉がもっともふさわしいと思う。この場合の、「異常」という言葉はやや異なる二つのニュアンスを含んでいる。一つは、「尋常ならざる」、「常識を超えた」といった意味合いで、簡単に言えば「すごい」という畏敬の念のこもったニュアンスである。もう一つは、「どうもおかしい」「正常ではない」という、能力や人間性に対する疑問符としての異常さである。 まず前者について、矢沢さんは、その発想や行動のあらゆる面で、当時の常識を超えた「すごさ」を発揮している。その異常さが最も端的に現れたのは、日本全国の興行主とのケンカであろう。どんな歌手であろうと、毎回出すたびにレコードがミリオンセラーになるわけではないので、印税だけでは生きていけない。だから、この人たちを敵に回せば、商売上がったりになるのが普通である。しかし、矢沢さんは、すべて自前で興行するという超離れ業をやってのけた。こんな歌手は、全世界の歌手の中で、矢沢さんしかいない。これによって飯のタネになる最も大きなものを完全掌握したのである。だから、矢沢さんの生き方やその言動には、媚のかけらもない。自分の手で飯が食えるからである。 後者については、今は書かない。 矢沢さんを見ていていつも思うのは、南北朝の時代に流行った「バサラ」の精神である。「バサラ」とは、自分の夢や野望の実現に自らの持てる能力をすべてを投じようとするもので、いわば「物狂い」の精神でもある。それは、よく言えば、伝統、因習、慣習、常識などによる、すべての拘束を排して、思いのままに行動しようとする自由闊達な精神のことである。悪く言えば、迷惑者、変人、わがままということになる。 しかし、これこそが、男の生き様の本懐なのではないかと思っている。この時代にあって、それを見事に体現しているのが、矢沢永吉さんという男なのである。すばらしいとしか言いようがない。

ふぐの味

京加茂では、今月からコース料理の中で「河豚（天然）」を使い始めました。毎年のことですが、１２月に入ると値段が高騰します。今の時期なら、高値の１/２で仕入れることができますので、今から使っておかないと損！そんな感じです。(^^ゞ

値段が半値なら、美味しさも半分かといったら、そんなことは絶対にありません。１０月の後半にもなれば、あまり差がなくなってきます。

ふぐの肉の味というのは、他の多くの素材(肉、魚)のように、脂がのっていなければ美味くない、という美味しさではありません。むしろ脂肪分の希薄な身に旨味だけが濃縮しているといった感じで、それがふぐのもっとも大きな特徴です。そして、あのシコシコした歯あたりもふぐ独特のものです。一度かむたびに、口の中全体にうま味が広がってゆくという不思議な魅力を持っています。

さらに、味そのものが深く調和が取れていて、その背後に無限の展開性を持っているように感じています。。

かの魯山人も、『ふぐの美味さというものは実際絶対的なものだ。ふぐの代用になる美食は私の知る限りこの世にはない。海にふぐ、山にわらび、この二つ、じつに日本の最高美食としての好一対であろう。』と言っています。

ボク自身は、そこまでは思いませんが、美味しい食材のひとつであることは間違いありません。

「三谷宏治さんと食べて語る会＆サイン会」

グロービス名古屋校の卒業生と法人会など、両者合わせて３１名の方々にお集まりいただきました。

まずは三谷先生の講義。 (約１時間)

講義風景。前のほうが法人会の方々。

後ろのほうがグロービス名古屋校の方々。

非常にわかりやすく説明されています。

１時間の講義がすんで、いよいよ会食。調理場はにわかに忙しくなる。


大皿盛りの八寸。

きんきの酒蒸し

最後の料理、デザート。

そして、無事終了。皆様、ありがとうございました。あっという間の４時間でした。

記念撮影。

このたび、何から何までたいへんお世話になった光書店の佐藤社長さんと三谷先生。そして、書籍代行営業のお仕事をされているT-ブレインの社長さん。