あの「悦凱陣」で有名な香川県、丸尾本店の丸尾社長さんがご来店された。 この蔵をボクに最初に教えてくれたのは、芝浦工業大学の古川修先生である。 せっかくなので、カウンターのほうに座っていただいて、ボクの考えを話したり、丸尾社長さんからお酒の話を伺ったりで、とても有意義な時間をもつことができた。お金をいただいて、なおかつ、こんな経験ができるのは、めし屋のオヤジの特権である。丸尾社長さん、どうもありがとうございました。 この凱陣という酒を作っている蔵は、じつはすごい蔵なのだ。新酒の出荷が始まったとたん、全国の酒販店による争奪戦が起こり、蔵から瞬く間に酒がなくなってしまう。酒販店側から見れば、それだけ確実に売れる銘柄なのだろう。 だから、あの大前研一さんに、「これは21世紀の「越の寒梅」です」と紹介して、飲んでもらったことがある。(もちろん、味は、「越の寒梅」とはぜんぜん違う。こちらのほうがすべての点において上。)たしか平成13BY(酒造年度)の山田錦で作った純米吟醸だったと思う。この酒は、特に秀逸だった。 現在、凱陣のお酒は、平成18BY(酒造年度)のものをメニューに載せている。それはどうしてかというと、凱陣のお酒の多くは、最低2年は低温熟成させないと、本当のすばらしさを発揮できないと思うからだ。 その18BYで、すでに売切れてしまった「興」と「オオセト」を除いて、手持ちの全銘柄を味見していただいた。「合格ですか」と、恐る恐るお伺いしたら、「うん」と言われた。
こちらは、丸尾社長さんと一緒にご来店された愛知県、津島の長珍酒造の桑山専務さん。日本酒に対する熱い思いをたっぷりと聞かせていただいた。そのお話を聞くだけで、この蔵は絶対に買いだと予感できる。 今年の長珍の酒の人気は本当にすごかった。2年熟成させた18BY(酒造年度)が、ものすごくよくなっていたので、メニューに載せてみたら、瞬く間に完売し、その勢いで、19BY(酒造年度)まで、すべて売り切ってしまったのだから。そのため、今はメニューには載せていない。とある酒屋さんの冷蔵庫に20BY(今年の酒)を預かってもらい、5度以下の温度でゆっくりと熟成してもらっている。もうそろそろ全部引き取って、うちの冷蔵庫(10度)に移してもいい時期かもしれない。
過去に、うちの店でやった一番大きな日本酒会は、睡龍の会で、70人のお客様に来てもらった。来年の4月で開業20年になる。それを記念して、「大日本酒会」を開催するかもしれない、というお話をさせていただいたら、「秋鹿さんも誘って、みんなで来ましょう」、と丸尾社長さんがおっしゃってくれた。とてもありがたいお言葉である。 丸尾社長さん、桑山専務さん、このたびは、わざわざご来店いただき、本当にありがとうございました。
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