青天の霹靂(へきれき)といえば、こんなこともあった。
たしか中学1年のとき、夏休みにやる宿題、「夏の生活」の表紙にする絵のコンクールがあって、どういうわけだかボクの書いた絵が選ばれてしまったのだ。
その絵は、応募する気なんてさらさらないのに学校の先生が書けと言うので、適当に書いたものだった。まじめに書こうなんていう気もないし、ひどくめんどくさいと思っていたから、その辺にあった「わら半紙」に書いて提出してしまったのである。
しかし、これが天罰がくだる原因になった。「あなたの絵が選ばれたので、もう一度、画用紙を使ってちゃんと書きなさい」と先生が言ってきたのだ。これには飛び上がってびっくりした。おそらくカラー印刷するうえで、わら半紙は不都合だったのだろう。でも、もう一度同じ絵が書けるはずがないことを先生は知らなかったのだ。なので、自宅に篭城することにした。つまり、もう書かなくていいと言うまで学校を休むことにして、ぶっちぎる魂胆だったのだ。
結局、死んだオヤジがボクの絵を見ながら、見よう見まねで書いてくれたおかげで、提出期限を一日過ぎてから提出することができた。
夏休みに入る前に全校生徒が集まるなか、校長先生から表彰状をいただいたが、ちっともうれしくなかった。
それ以来、絵を書いたことは一度もない。たぶんトラウマになったんだと思う。
南紀勝浦の近海キハダマグロ。脂がのっていてアマい。
タグ付きの松葉かに。懸命にアワを吹いている。
まな板に横たわるは「あおりいか」。鮮度が良すぎてまだ甘みが出ていない感じだった。
「いよかんゼリー」を仕込んでいるところ。
たぶんねぎか何かを切っているんだろう。
そういえば今日は午後から怒りっぱなしだった。料理の世界で一人前になれるのは、この世界に入ってくる人の中で20人に一人ぐらいです。学校の成績で言えば、40人に二人だから、オール5の成績でないとムリです。才能がないなら努力するしかない。運動能力で劣るなら、知恵を使うしかない。一度言われたら、一度で覚えるだけの気概をもって仕事に当たらねば、どうやってこの世界で頭角を現すんだろう。おやじに好かれないやつは育ててもらえないことすら知らないいまどきのかわいそうな若い子たち。
スピーディ&正確に!そして、瞬間、瞬間の判断が大事です。
気迫、熱意、向上心。この三つは、一流の料理人になるための必要不可欠な要素。
「おまえたちと違って、若いころに修行しすぎたから、ごめんな。」と、いつもの皮肉を言う。
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