台風12号が上陸間近である。(このブログを書いている時点で。)名古屋の住人としては、四国のほうへそれてくれたので、直撃は免れたが、店で使う魚介類的には、どこへそれようと状況はまったく変わらない。しけで太平洋側の漁師は漁に出れないからだ。
だから、土曜は、魚が思うように手に入れれないかもしれない。おそらく水槽に生かしてあった魚しかないだろう。にもかかわらず、ご予約のお客様がいらっしゃるので、乏しい魚介類を使いながら、普段と変わりのない満足していただけるコース料理を組立てなければならない。客単価の低い店であれば、冷凍の魚を代用すれば、仕入れに頭を悩ますことはないが、なまじっか天然魚をうりにしているので、悪天候は非常に悩ましい。
そんな中にあっても、「大間の本マグロ」は買うことができた。他の魚がなくなることがわかっていたので、ちょっぴり多めに買っておいた。いつもの「まぐろや」さんで。
これで8、8キロ。刃渡り一尺(30センチ)の柳刃が小さく見える。鮮度はバツグンながらも、やや柔らかめなので、食べては美味しいと思う。
これだけの量を仕入れたのだから、土曜、日曜で使いきれるといいのだが、台風の影響で、普段よりもお客さんは少ないかもしれない。魚が少なくても困るけど、お客さんが少ないのはもっと困る。世の中というのは、なかなかうまくいかないものらしい。
そういえば、料理を教えていただいたオヤジさんから聞いたことがある。理想の魚屋さん(または八百屋さん)というのは、こちらがほしいときに、ほしいだけの量を必ず確保できる魚屋さん(または八百屋さん)だと。だから、修行していた店の魚屋さんは、たとえば名古屋にアマタイの入荷がなかったときなど、朝一番の新幹線に飛び乗って、京都の市場まで魚(アマタイ)を買いに行っていた。それを見て、恐るべき執念と根性だなと感心する一方で、「目にかなう品質のものが手に入りませんでした」、「数がそろいませんでした」が一切通用しない一流店に魚をおさめるということは、こういうことなんだとびっくりした。
うちの魚屋さん(豊浜屋)のことだから、どんな悪天候でも絶対に調達してくると、ボクはまったく信じて疑っていない。ガンバレーーー!(^.^)
こんなことを書くと、明日から魚の値段がもっと高くなるかもしれない。それだけは、なにとぞご勘弁を・・・・
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